卒業して6年。今も、大学での教えや経験が、自分にとっての指針となっている
心理学科では多くのことを学びましたが、なかでも心理カウンセラーになるための授業の一環として学んだ「傾聴力」がいまの仕事にとても役立っていると感じています。「傾聴力」とは、患者さんに寄り添うための「聞く力」や「問いかけ方」を養うための学びです。
お客様一人ひとりの立場に立って、何が最善策なのかを深く考えて行動すること、これは心理学科で学んだことや「聖心スピリット」をもつ聖心で過ごしてきたからこそ体現できていると実感しています。例えばある時、機内でお客様が「お水をください」とおっしゃいました。お客様のリクエストに応えて、お水をお渡しする、これは正解ではありますが、「なぜ」お水が必要なのか。そのお客様は直前に化粧室から出てこられ、お顔が少し青白いように思われたので、お具合をお伺いしたうえで、お水に加え酔い止め薬をご用意し、お休みできる別のお席をご案内することができ、大変喜んでいただけました。
また、卒論のテーマは、子どもの心理im体育官网_im体育平台-app|下载でしたが、ゼミで子どもの心理を掘り下げてim体育官网_im体育平台-app|下载してきたことが、機内でのお子様への対応に役立っています。飛行機にはお子様もたくさん搭乗されますし、一人で席に座りたがらないなどぐずられることもあります。そんな時大概は親御さんにお声がけをしますが、私はあえてお子様ご本人に、お子様の目線に合わせてお話しするように心がけています。子どものim体育官网_im体育平台-app|下载をしてきたからこそ、子どもの考え方や行動も、ほかのCAと比べると理解ができますし、「立場」からの目線だけでなく、一人の人間としてお子様と向き合うことが自然と出来ていると自負しています。
Connecting the dots.
アップルの創業者、スティーブ?ジョブズが残した言葉に、Connecting the dots.という言葉があります。点と点が結ばれていないと思われても、いつか過去を振り返ったとき、実はその点と点が結ばれていたという意味です。学生時代は、いま一生懸命に取り組んでいることや、興味のあることが将来の夢に直接つながらないと思うかもしれません。でも懸命に続けていると、その継続力が必ず実を結ぶときが来ます。
私自身学生時代は、聖心Radio Stationに所属して、DJ、ラジオパーソナリティの経験を積んで、アナウンサーになるのが夢でした。いまでは全く違う業界に勤めていますが、学生時代の経験は決して無駄ではありませんでした。例えば、機内アナウンス。既存の文章を明瞭に読み上げること、お客様にわかりやすい文章を作ることが、いま私の強みとなっています。
地元をもつ航空会社だからこそできること
ソラシドエアは、宮崎県に拠点を持つ航空会社です。そのため、お客様を安全に目的地に送り届けることはもちろんのこと、地域貢献を目指すことに特徴があります。機内でサービスさせていただくドリンクなども、地元の特産物を使用するなど、地域との繋がりを大切にさせていただいています。
地元宮崎の交通会社とのタイアップで『初日の出&初詣フライト』を実施したこともその一つです。初の試みであるそのツアーフライトに私も乗務し、期待を背負うプレッシャーもありましたが、社員一丸となり、支援してくださった皆様のおかげでやり遂げることができました。初日の出を空から鑑賞するという企画は他社でも実施されていますが、大きく異なっていたのは、ツアーになっているという点です。これは地元との繋がりがあればこそ実現した企画であり、やり遂げた達成感から、機内でお客様と見た初日の出は一生忘れられない思い出となっています。
コロナ禍では、すべてのサービスが中止され、自身の存在意義に悩んだ日々もありました。それでも、自分なりに工夫をしながら心づくしを心がけ、笑顔と共にやり続けたことがお客様の心に届いたとき、自身のやってきたことが間違っていなかったと確信することが出来ました。
また、仕事をするなかで、マニュアルには載っていないイレギュラーな出来事に遭遇することがあります。そんなときは、ひとりの人間として、遭遇した出来事にどう対処すべきかを限界まで考え行動するようにしています。これは学科で学んだキリスト教学の「隣人愛」の授業で得た精神にもつながっているのですが、人として成長するためには、日常から世の中の動きを見て、知識の拡充やそれに対する意見を持つことが大切であり、一つの出来事は、すべて社会とつながっているということを学んだことが、日々の業務に責任をもって取り組むことに繋がっていると実感しています。
- 心理学科
株式会社ソラシドエア(Solaseed Air Inc.)
客室本部 客室乗務部 客室乗務課 兼 客室品質課
心理学科 2016年3月卒業
※ 所属?肩書きを含む記事内容は、インタビュー当時(2022年)のものです。