学ぶことの本質を教えてもらった
聖心には、一人ひとりの興味や関心に寄り添って支えてくださる先生方や職員の方がいらっしゃいます。少人数ならではのきめの細かな指導が、自身の将来の目標へ自然と導いてくれると感じています。
もともと文学で表現することを究めたいと思っていましたが、3年次から履修した「文芸創作入門」の授業で、短歌創作を学んだことが、本格的に歌を詠むきっかけとなりました。
卒業しても、創作や学びを続けたいと考えていたところ、短歌実作の授業で2年間ご指導いただいた先生のご縁で短歌会に入会させていただくことが出来ました。
いまは、その短歌会が年6回発行している冊子に、毎回10首連作の短歌を提出することを自分に課して、創り続けています。こうした絶えることない向上心も、聖心の学びが、ただ単位を取るということで帰結するのではなく、一人の人間が生きていくうえでの「学び」とは何かということを、常に問うているから出来ることだと実感しています。
自分でも大学時代の仲間と「かすみ草」という短歌を詠みあう会を立ち上げ、その主宰を務めています。
これは授業を通じて短歌の面白さにふれ、歌を詠みたいという仲間の居場所のひとつを作れたらという思いで始めたものです。自分の「好き」を追求することの喜びを分かちあえるのも、少人数教育の聖心で密度の濃い授業を学んでこられたからこそかなと思います。
サポートされる側からサポートする側に
また、仕事は、大学im体育官网_im体育平台-app|下载室で学生のサポートを業務としています。
自分が学生だったときには気づきにくかったことですが、大学の4年間というのは、自己の内面を成長させるとても重要な期間だと感じています。入学したばかりの学生は、まだ世界の広さに関わり始めたばかりで、自身の可能性や社会とのかかわりを見いだしきれていないことも多いのですが、学びを通じて、物事の本質をとらえる眼が開かれていきます。
そのサポートをすることにやりがいを感じるとともに、創作のうえでも、学生のみずみずしい感性と感覚に触れることで、自分のなかの感性がインスパイアされていると感じています。
宮中歌会始の儀には光栄なことに、2024年の佳作も含め、これまでに3度選んでいただきました。
拝謁の際には、陛下から「聖心女子大学でしたね」とお声がけいただき、聖心出身であることに誇りを感じました。
コロナ禍を経ても、伝統文化を絶やさずに続いていることの意義と重みを強く感じます。自分もその伝統ある場に参列させていただけたことも有難く、背筋が伸びる思いです。
これからも創作を続けながら、学生が社会に羽ばたいていけるようになるまでのサポートに力を注いでいきたいと思っております。
- 日本語日本文学科
2021年卒業
短歌同好会「かすみ草」主宰。