コード
HC31-01
系列
系列:美学?美術史
授業科目
美学?芸術学特講Ⅰ
副題
(制作的必然性)
副専攻
H1
担当者
加藤 好光
単位
4
期?曜時
通年 木3
対象学年
1(B)?2?3?4年
特記事項
学習目標
論理的でも倫理的でもない、制作を統べるロゴスを考察する。さらに、人間の合理的能力と「事物の成り立ち」との不整合とを理解し、芸術制作のみならず、哲学的思索や自己存在にたいする視野を広げることを目標とする。
授業概要
日常生活のほとんどの場面において私たちは「論理的」に思考したり、「倫理的」に正しい行為をするように強いられてはいない。翻って、或る行為を意識的に行うとき―つまり主体的に制作し行為するとき―、私たちは「よく為せ」という制約を逃れることができない。正しく思考することや善い行いをすることも、その中に含まれている。しかしそれだけではない。論理や倫理を超えて(さらには既習の「技術」をも超えて)制作という冒険は如何に挑まれるべきか、それを哲学的に考察する。
テキスト
加藤好光「制作的必然性」(『聖心女子大学論叢第108集』所収。受講生には抜刷を配布する)
参考文献?課題図書
受講生への要望
基礎課程の学生、他専攻生にも丁寧に対応します。受講生はたんに受け身に教えてもらうのではなく、自ら学び取るつもりで講義に臨んでください。
評価方法
評価は学期末、学年末の試験による。
授業計画
1.哲学的思索一般
2.哲学的思索としての美学
3.「美への思索」と「芸術への思索」
4.理論的前提としての価値論
5.制作を統べるロゴス
6.論理的必然性、倫理的必然性との対比
7.主体的自己存在、哲学的思索、芸術制作
8.制作の「然るべき処」の模索
9.現実的世界の歴史性
10.因果律と目的論
11.因果律?真?過去
12.目的論?善?未来
13.因果律的目的論的盲点?美?現在
14.制作の冒険性
15.<方法の模索>を方法とする営為としての制作
16.「自己から自己へ」としての自己存在
17.「自己への隔たり」「他者との隔たり」
18.「制作されるべきもの」としての場所的直観
19.方法的省察と実際の制作?行為?考察
20.芸術制作と哲学的思索との形式的照応関係
21.芸術制作と「自己を生きること」との形式的照応関係
22.「我思う故に我あり」の断章取義的捉え直し
23.「歴史は『もし』を知らない」の断章取義的捉え直し
24.「起こったこと」と「起こり得たこと」(アリストテレス)
25.現実と制作的必然性
26.世界(物事)の成り立ちと人間の合理的能力との不整合
27.「何故人を殺してはいけないのか」という問いかけの誤り
28.「何故勉強しなければならないのか」という問いかけの誤り
29.学問の限界とその認知
30.哲学の課題
自由記述欄
美学の哲学的基礎づけを試み、それを通じて現実的世界の中に生きはたらく人間を考察する。
Copyrights 2009 University of the Sacred Heart , Tokyo all rights reserved.
■BACK
■検索システムへ
■TOPへ