コード TJ13-01
系列 哲学専攻(修士課程)
授業科目 哲学特論Ⅲ
副題 (アーレント政治哲学入門)
副専攻
担当者 森 一郎
単位 4
期?曜時 通年 木5
対象学年 学部3?4年生も可
特記事項

学習目標
 20世紀を代表する哲学者ハンナ?アーレントの遺稿「政治入門」を丁寧に読み、政治哲学の基本問題をじっくり考えるとともに、現代という時代に対する批判的思考を養う。
授業概要
 政治の意味は「自由」にある、と喝破したアーレントは、主著『人間の条件』に続く政治哲学入門書を書こうとして果たせなかった。その遺稿を再構成して編まれた英語版テクスト(Introduction into Politics)が今日、日本語で近づけるものとなっている。この「政治入門」をじっくり読み解くことで、共同存在とそこに現われる人間的自由について考えてゆく。後期には、戦争と平和の問題を、核兵器をもつ現代と、トロイア戦争の古代とを往還しつつ、多面的に考える。赦しや約束といった活動可能性を開発することになった、ローマ人の政治思想や法思想にもふれる。
テキスト
 ハンナ?アレント 『政治の約束』 (筑摩書房)
参考文献?課題図書
 Hannah Arendt, The Promise of Politics, Schocken Books
 ハンナ?アレント『人間の条件』(ちくま学芸文庫)
 ハンナ?アーレント『政治とは何か』(岩波書店)
受講生への要望
 じっくり読み、のんきに考え、自由に議論することを愛する、鷹揚な学生諸君の参加を歓迎します。
評価方法
 平常点(出席、発表、討論への参加等)と、学期末レポートを、半々で評価する。
授業計画
1.ガイダンス
2.政治に対する偏見
3.偏見と判断
4.判断能力
5.政治は何を意味しているか
6.自由という奇蹟を起こす能力
7.ポリスの自由
8.近代的歴史意識
9.活動から言論へのシフト
10.政治的空間
11.政治の地位の低下
12.アウグスティヌスによる政治の再解釈
13.政治は自由のためにあるのか、生活のためにあるのか
14.近代世界――必要の台頭
15.前期のまとめ
16.現代における政治の実相
17.戦争の問題
18.原子爆弾の発見
19.トロイア戦争――絶滅戦争の原型
20.闘技精神と現われ
21.平等なる他者の存在と、人間の「間」の空間
22.敗者の大義――ローマ的政治の起源
23.徹底的な絶滅から持続的なものへ
24.境界を定める――ギリシアの法概念
25.赦しと条約――ローマの拡大
26.ローマによる「世界」の創始
27.戦争と革命
28.目標としての平和
29.戦争の狭間の平和
30.後期のまとめ
自由記述欄

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